犬のしつけのポイントについて、藤井先生に質問していきます。
質問:
「藤井聡のこだわりについてお聞きしたいのですが、まず初めに、藤井先生にとって犬とは何でしょうか?また、犬に対する思いをお聞かせ下さい。」
藤井聡:
「う〜ん、やっぱり地球上にいる様々な動物の中で、人間にとって最高の動物だと思います。それは犬には縦型の上下関係で群れ社会を作るという習性があって、我々人間社会に溶け込んでもうまくやっていけるからです。
それが出来ていないで、飼い主さんがリーダーにならないで従属者になっていれば、うまくいく訳はないです。
だから犬は、大昔から色々な目的で繁殖され、改良され、作られ、たくさん種類がいるわけですね。」
「正式に血統書を発行されているのは 334犬種。
正式でない土着犬みたいなものもが各地方にたくさんいますから、それを入れれば世界中に六百何十犬種もいます。
それだけ人との良い関係が築きやすく、人との生活の中で最良の動物だと思います。」
質問:
「今度は、犬のしつけに対するこだわりを教えて下さい。」
藤井聡:
「まず簡単に言えば”見ない”そして”喋らない“です。」
質問:
「“見ない”と“喋らない”ですか?もう少し具体的にお願いします。」
藤井聡:
「“見ない”というのは、犬を見ない。
犬の社会では下位の者が上位の者を見て、上位の者の行動に従う。
上位の者は下位の者を見て見ないふりをする。“フーン”ってするんです。
“俺はボスだ。俺はお前より上だ”という態度をするんです。だから見ないことがリーダーシップなんです。
それで下位の者は上位の者を見て、上位の者の行動に従おうとするんです。
だから犬が可愛いからといって見続けていると、犬は視線を感じて、“家の中で自分は常に注目を浴びている”と思って、ボス的な犬が出来上がってしまうんです。
だから見ないことが重要なんです。」
「それから“喋らない”というのは、当たり前のことですが犬は喋りません。人間は喋ります。
喋らない犬に“ああでもない、こうでもない”とついつい話しかけてしまいます。
人間の子供さんに言って聞かせるように犬に言って聞かせていると、喋れば喋るほど犬にバカにされてしまいます。
犬にとっては、弱い負け犬がほざいているとか媚びているとしか感じないんです。だから見たり喋ったりしているうちは、リーダーシップが取れないということです。」
質問:
「“見ない”“喋らない”というのは、しつけの基本中の基本なんですね。」
藤井聡:
「そうです。」
質問:
「こういった部分においても飼い主さんたちは勘違いをされていて、“可愛い、可愛い”と話かけたり見つめたりして、全く逆のことをやっていますね。」
藤井聡:
「飼い主さんだけでなく、犬を扱っている業者さんの多くも、みんな誤解しています。
色々な本が出ていますが、その人たちはそれで成功しているから本に書いたり、自分のやり方でしつけたり、飼い主さんに指導したりしていますが、それらは犬の本能と習性には基づいていないものもあります。」
質問:
「たまたま条件が合って、うまくいったということでしょうか?」
藤井聡:
「そうですね。もちろんそれもありますが、あとはテクニックがあれば、とりあえずうまくやりこなせちゃうということです。
じゃあそういう人がテクニックのない愛犬家たちに自分のテクニックはこうだからって指導したって、それはそう簡単には覚えられないですよ。
だから犬の本能と習性に基づいた基本的な考え方として“見ない”“喋らない”を徹底しなさいということです。それだけで犬の態度が変わってきます。」
「ただ、同業者の方々はみなさんプライドを持ってやっていますから。
私も自分の考え方ややり方にプライドを持っています。
だからみんな自己流、自分流なんです。
だから日本式もアメリカ式もないというのはそこなんです。やっている人によって、やり方、考え方がみな違うんです。
でも皆さんそれなりに成功しているわけですから、それはそれでいいと思います。」
「ただ私に関係する愛犬家に対しては、私なりの考えを指導していきます。
また、私の弟子たち(私は訓練士の学校もやっていますので、その生徒たち)にも私の考え方を指導しています。」
“見ない”“喋らない”ということが、しつけにおいて非常に重要であるということが理解していただけたと思います。
でも・・・
見ないし喋らなかったら、どうやって犬を可愛がったらいいのでしょうか?
⇒犬のしつけのポイントとは?その2に続く…